介護技術講習
清水内科
平成31年3月18日(月)
徳島文理大学 保健福祉学部 理学療法学科の鶯春夫先生にお越しいただき、今回は『高齢者の理学療法~離床と生活リハ~』についてご教授いただきました。
脳血管障害受傷後や骨折後におけるベッド上での過度な安静からもたらされる害として『廃用症候群』が挙げられ、下記のような様々な症状が出現します。
○運動器系:筋萎縮、筋力低下、関節拘縮、骨萎縮、腰背部痛など
○呼吸・循環器系:起立性低血圧、静脈血栓症、肺塞栓、肺炎、浮腫、褥瘡など
○泌尿器系・消化器系:尿路感染症、尿路結石、便秘、尿・便失禁など
○精神・知能系:抑うつ、無為無欲状態、睡眠障害、知能低下など
廃用症候群を防ぐためにもバイタルサインや状態に合わせて早期に離床させてあげることが重要となり、離床後においては日常生活をどのように過ごすかが大事なポイントとなってきます。
ベッドから起き上がる際には健側にベッド柵を設置したり、立ち上がり動作をしやすいようにベッドの高さ調整を行ったり、トイレに移りやすくするためにはどのように配置すれば転倒リスクを軽減できるのかを検討する必要があります。
離床後における介助としては、何でも手助けするのではなく出来る限り利用者様の残存能力を活かして自分で実施していただくことで日常生活動作自体がリハビリとなり、機能訓練以上の効果を図ることができます。
リハビリ職員として、低下している機能の向上だけにアプローチするのではなく、利用者様の趣味や得意なことに対して、残存能力を発揮できる場を作ってあげることで意欲の向上を図り、楽しみや目的をもって生活していただくことができるように支援していきたいと思います。
鶯先生、今回も貴重なご講義、ありがとうございました。